村上豊彦感動の出来事

私、村上豊彦は大型ショッピングモールでぶらぶらとしていた。
店の一角で何だか行列が出来ているのを見つけ、近くに行き見てみると一人の男性がお客さんとテーブルを挟んで向かい合って座り、筆を使って色紙にメッセージを書き、それをお客さんが買う、という出張商売をしているようだった。
インスピレーションで目の前のお客さにピッタリのメッセージを書いてくれるらしい。
何だかインチキ臭いなと思いつつ通り過ぎ、新しいスニーカーを買おうと靴売り場へと向かった。
しばらく見てみたが好みの靴が見つからず、帰ろうと思い歩いていると、さっきの行列が見えてきた。
人数はだいぶ減り、3人ほど並んでいた。
村上豊彦は最近、大学でずっと気になっていた女の子に彼氏がいる事を知り、ちょっぴり傷心気味だったせいもあり本当に良いメッセージがもらえるなら…と思い直し、行列に加わった。
15分程過ぎた頃、順番が来た。
椅子に座ると男性は村上豊彦の名前を聞き、目をじっと見つめた後瞳を閉じた。
30秒くらい経ち目を開けた途端、色紙にスラスラと筆をすべらせた。
渡された色紙には、雨のち晴れ。
人生はいつか必ずハッピー。
優しさと助け合いをつなげて進んでいこう。

村上豊彦の感動話

と書かれていた。
村上豊彦は少し泣きそうになるのをこらえて料金を払い、宝物のように色紙を抱え店をあとにした。